賃貸退去時の原状回復で押さえておきたい3つのポイント

私が会社員時代の時、会社借り上げの賃貸アパートに住んでいました。

退職によりアパートを出ざるを得なかったのですが、原状回復費用で揉めました。最初の見積もりを提示されてから1か月経った今も未だに揉めています。

原状回復の見積もりに正当性がなかったので、再見積もりを依頼したわけですが、その材料となったのは国土交通省の原状回復をめぐるトラブルとガイドラインになります。

私はこれを基に、相手の見積もりの不当な部分を指摘し、減額のための再見積もり依頼をしました。

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」とは?

賃貸住宅から退去する際に、どのような基準で原状回復費用を退去者に請求するかを定めたガイドラインになります。

良心的な業者であれば、基本的にこのガイドラインに沿って請求をしてきます。

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の基本的な考え方

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」自体はPDFで173ページもあるので読むのが大変ですが、基本的な考え方はそれほど難しくありません。
ざっくりとまとめると、以下のようになります。

  1. 原則は、入居者が損傷した箇所が原状回復費用の請求範囲となる。
  2. 建物の設備の価値は、時間とともに減少していく。
  3. 原状回復の請求は、「時間とともに減少していく価値」以上の損傷がある部分に請求される。

特に2と3がわかりにくいと思います。

まずは2ですが、建物やその設備はいつまでも同じ価値ではないということ意味しています。新築の不動産と、新築から10年経過した不動産は同じ価値ではありません。

時間が経つ建物や設備は経年劣化し、入居者の生活により損傷が蓄積されています。そのためそれらの価値は減少していきます。

そして一番わかりにくいのが3だと思われます。

入居者の不注意などにより物件に著しく損傷があった場合、通常使用以上の損傷が物件に発生します。この場合は入居者が原状回復費用を支払う義務が生じます。

図にすると以下のようになります。ガイドラインの図を少し加工しました。

賃貸住宅の価値減少

赤線が経年劣化と通常使用による価値の減少になります。そして青線が不注意などによる著しく損傷がある場合の価値の減少になります。

ガイドラインに沿うと、入居者が払うべきなのは赤線と青線の差分の額(図中の「賃借人負担部分」)になります。

ちなみに、赤線の価値の現象の基準は、対象物の減価償却で定められ耐用年数が基になっています。

請求される可能性がある基本的な3ポイントを押さえておく

全部のポイントを押さえておくのは大変なので、私が経験した範囲で、だいたいの人はここはあてはまるだろうというところをポイント化しました。

壁紙

壁紙の耐用年数は6年と定められています。

6年以上経った壁紙の価値は1円になるため、6年以上住んでいた住宅で壁紙の張替えの請求をされたら、請求をいったんは拒否し、減額交渉することが有効な手段となります。

ただし、タバコのヤニだらけで全面張替えが必要といったような明らかな過失な場合はこの限りではありません。私は喫煙をしておらず、タバコのヤニもなかったので壁紙の請求はありませんでした。

空調機器

最近はエアコンが備え付けられている部屋がほとんどだと思います。

もし退去時にエアコンが不調になっている場合、エアコン修理のための不当な請求がないか注意する必要があります。

壁に取り付けるタイプのルームエアコンは「器具及び備品」という扱いになり、耐用年数が6年になります。もしエアコンが設置から6年以上経過している場合は、減額交渉できます。

注意点として、天井や壁に内蔵されていてダクトを通じて相当広範囲にわたって冷房するものは「建物附属設備」という扱いになり、耐用年数が13年になります。

「エアコンを『器具及び備品』にするか『建物付属設備にするか』」は、過去に裁判による判例が出ているので、耐用年数で業者と揉めた場合はこれを材料にすると良いかもしれません。

フローリングについた傷

フローリングについた傷は、ガイドラインでは経年劣化を考慮しないとされています。不注意により損傷した部分に対しては、潔く原状回復費用を支払う必要があります。

ただし、さりげなく全面張替え前提の見積もりを出される可能性も0ではないので、注意が必要です。支払うべきは、入居者の不注意で損傷した部分だけです。
私はほぼ全面張替えの見積もりを出されたので、支払いを拒否し、再見積もり依頼をしています。

請求内容を疑う姿勢を持つことが大事

前述の通り、建物や設備は時間とともに価値が減少していくため、物件に長く住めば住むほど物件価値は減少していきます。

そのため、退去時の原状回復費用は、よほどの過失がない限りは少なくならなければおかしいと考えた方が良いでしょう。

もし、業者がこれ以上減額できないと主張してきても、それを鵜呑みにせずにまずは疑うことをお勧めします。

原状回復費用の支払いは、双方の合意があって行われるものです。まずは原状回復費用の請求内容を疑いましょう。

費用感の判断に迷うときは?

私はそこまでは至りませんでしたが、インターネットを調べる限りでは、以下が有効だと思っています。

他の内装業者から見積もりを取る

複数の業者から見積もりを取ることによって、適切な費用感を把握することができます。可能であれば、適切な見積もりを出した業者に依頼をすればよいですし、貸主がそれを認めない場合はその見積もりを値引き交渉の材料にすると良いでしょう。

既に物件から退去してしまい、再び入室できない場合はこの手段をとるのは難しいかもしれません。

弁護士に相談する

弁護士に相談して、その結果を減額交渉に使うのも手かもしれません。弁護士に相談すると聞くとお金がかかるイメージを抱くかもしれませんが、無料で相談してくれるところがあります。

特に後者では、他の人の相談内容を見ることができるため、参考になるかと思います。

さいごに

多少の専門用語があったので人によっては難しい内容だったと思いますが、いかがでしたでしょうか?

基本的には以下の姿勢で望めば大丈夫です。

  • 納得できない請求があったら応じない
  • ガイドラインに沿った請求になっているかチェックする
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